ここ数年、「4月になればイタリアへ」が、恒例になっています。 そうです。今年も3泊5日の日程で、世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」に行ってきました! そこで、今回から2回に分けて、今年のミラノサローネについてお届けします。 毎年4月、イタリアのミラノを舞台に開催されるミラノサローネは、世界中のインテリアとデザインの最先端が集結する世界の一大イベントです。 ローフィエラ ミラノの本会場はもちろん、この時期ミラノの街はデザイン一色に染まり、買い付けのバイヤーや最先端のデザインを視察するインテリア関連の業界人やメディア、観光客で賑わいます。 今年は、4月8日〜13日の期間で開催されましたが、総来場者数は前年度よりも13%増の35万7212人。 内、業界関係者は160カ国31万1781人と発表され、その規模の大きさと注目度がうかがい知れます。 私自身は、ミラノサローネに訪れるのは今年で5回目。 旅のスケジュールやホテルの手配、現地での食事や過ごし方に関しては少しは旅慣れてきた気もしますが、ローフィエラ ミラノの本会場の広大な展示スペースや膨大なブース数には、毎回圧倒させられます。 今年この本会場には1400社以上の出展社があり、到底3泊5日の日程で見て回れる規模ではありません。 ミラノサローネを訪れた最初の頃は、あれもこれもと手当たり次第ブースを訪れていましたが、今回は住賓館で取り扱っているメーカーを中心に見て回りました。 ミラノサローネでは、各メーカーの新作にいち早くお目にかかれるのも魅力ですが、各ブースのレイアウトや演出法など自分の店作りの参考になり、その点でもいろいろと収穫がありました。 1回めのレポートでは、訪れたブースの家具を現地で撮影した写真とともにご紹介します。 |
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■Flou(フルー) イタリア | ||
ミラノサローネで毎回楽しみにしているのが、イタリアのベッドメーカー・Flou(フルー)のブースです。 Flou(フルー)では、これまで寝装具を中心にしたコーディネートでブースつくりを行っていましたが、今年はベッドボードとデザインを統一したソファを発表し、寝室だけに収まらないリビングダイニングの演出をしていました。 新作のベッドは、やわらかな本革仕様のナチュラルテイスト。 デザインを統一したソファもカラーや素材を統一することで、心癒される空間を生み出していました。 また、そのシックな空間に奇抜なデザインのランジェリーチェストをコーディネートして遊び心を加えるなど、そのトータルコーディネートの演出はとても勉強になりました。 |
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■CECCOTTICOLLEZIONI(チェコッティ・コレツィオーニ) イタリア | ||
このメーカーは住賓館では扱っていませんが、北欧スタイルを追求する住賓館としては参考にしたいと思ってチェックしました。 CECCOTTICOLLEZIONI(チェコッティ・コレツィオーニ)は、高い技術が作り出す、やわらかで官能的な曲線美を持つ家具が有名で、世界のセレブに愛されているイタリアのメーカーです。 住賓館で扱うメーカーでは、KAYA工房に通じるものがありそうです。 今後KAYA工房との家具づくりにもこのテイストは参考にしたいと思いました。 |
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■MisuraEmme イタリア | ||
MisuraEmmeは、収納をメインとしたベッドルームファニチャーからスタートしたライフスタイルブランド。イタリア3大メーカーの一つです。 このブースで目を引いたのが、ベッドの脚のスタイル。 この脚のラインは他のベッドではあまり見たことがありません。とても魅力的でした。 |
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■RIVA1920(リーヴァ1920)イタリア | ||
昨年、ブラックウォールナットの無垢材で作られた「馬」のオブジェでメディアの注目を集めていたRIVA1920(リーヴァ1920)。今年は「人間の顔」の巨大なオブジェが展示されていました。 実は、昨年の馬のインパクトが強く、今年も楽しみにしていたのですが、期待を裏切らないオブジェの出現に、これを見られただけでも今年のミラノサローネに来たかいがあったと思ったほどです。 もちろん、展示家具についてもウォールナットの素材使いや日本人好みの一枚板など、注目する点も多く、じっくり観察しました。 昨年もチェックしたブリッコレ(ヴェネツィアの海で何年もの間「抗」として使われたオーク材)を使ったテーブルやチェストも洒落てました。 ウォールナットのテーブルやサイドボードも上手く木目を生かし、脚部分は日本にないモダンなデザインと造りが施されていました。 木の本質を知りつつアート的な要素もしっかりと取り入れているRIVA1920(リーヴァ1920)は、これからも注目していきたいメーカーです。 |
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■COMPAR(コンパル)イタリア | ||
住賓館が取り扱うイタリア家具で、今年も中心となるのは、このCOMPAR(コンパル)社です。 昨年注目したリフトテーブルが、今年もバージョンアップして登場していました。 もともとCOMPAR(コンパル)のリフトテーブルは人気がありましたが、昨年、それまでスチール製だった脚が天板と同色にコーティングして登場。それが今年はカラーも増え、天板素材もダークカラーのガラスからウォールナット材までバリエーションが豊富になりました。 また、このリフトテーブルと相性のいい軽量チェアもあり、テーブルの脚とチェアの色を揃えるととてもセンスのいいセットになります。 今年はこのセットをご提案していきたいと考えています。 |
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■Frag(フラッグ)イタリア | ||
住賓館でも人気のあるFrag(フラッグ)も毎年楽しみにしているブースです。 昨年一目惚れした革のデスクの新作が登場。今年も新鮮な感動があり、改めて惚れなおしました。 また、今年心惹かれたのは革巻きのハンガーラックでした。 やわらかなライトグリーンの革が、上質で繊細な雰囲気を醸し出しています。 実用的な棚も備え、ワードローブ空間を洗練された空間にしてくれます。 革の質の高さが伝わるデスクスタイルのテーブルは、木口の仕上げも繊細です。 どの家具もFrag(フラッグ)ならではの質感と高級感がありました。 |
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■GAMMA(ガンマ) イタリア | ||
GAMMA(ガンマ)のブースで目を引いたのは、最高級クラスの厚革を使ったシェーズロングタイプのソファです。 脚まできれいに革が張り込んであり、さりげなくシンプルなデザインながら本物の質感のある座り心地です。 住賓館では、質の良いシェーロングソファを探していたので、座り心地も含めてかなり注意深くチェックしました。 住賓館でもぜひ展示してみたいソファです。 |
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■MIDARTE イタリア | ||
MIDARTEのブースで勉強になったのは、ベッドのレイアウト法です。 一般的に寝室にベッドを配置する時は壁に対して平行に置きますが、このブースでは壁に対して斜めに配し、それに合わせて棚やボード、クローゼットの形を斜めにしたりカーブをつけたデザインにしたコーナー収納家具をコーディネートしています。 部屋を回遊させることで、部屋が広く感じる効果を狙っているのでしょうか。 ベッドを斜めに配する事は、スペースを無駄に使ってしまいそうですが、発想の転換と目の錯覚で、こんなレイアウトもありだと気付かされました。 レイアウトと合わせる家具のコーディネートで、空間を広く見せる方法をこれからも勉強していきたいと思います。 |
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■OSCARMASCHERA イタリア | ||
革を使った小物雑貨やオブジェに目が止まったのがこのメーカーでした。 カラフルなカラー、立体的でユニークなデザインのミラーやスツール、さらには革製の玄関マットまで、居住空間を楽しくしてくれる雑貨類が豊富に展示してありました。 住賓館では今年、家具単体ではなく、照明や雑貨類を含めたお部屋全体のトータルコーディネートを積極的に提案していきたいと考えているので、こうした雑貨類はとても興味があります。 しっかりカタログもいただいてきました。 |
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■miniforms(ミニフォームズ)イタリア | ||
住賓館でぜひ取り寄せたいと思っているのが、このチェアとブラックウォールナットのテーブルです。 一本脚で2m40cm〜3mまでのテーブルができのにぐらつきのない安定感と美しい脚の形状が気に入りました。 この脚の構造とデザインは日本にはないものです。 |
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■camuscollection(カミュコレクション) スペイン | ||
今回のミラノサローネで一番衝撃を受けたブースが、このcamuscollection(カミュコレクション)でした。 ウォールナット材を使った先の細いデザインでありながら緻密さと力強さがあり、その魅力に導かれるようにブースの中に入って行きました。 |
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特に心惹かれたのは、ライティングデスクです。 力強さのある無垢の平机に、曲面が美しい開閉式のフタが付いていて、閉じた様子を横から見ると、美しい女性がしなやかな前屈姿勢をとっている姿を想像させます。 素材、デザイン、機能性の全てにおいて今回のナンバーワンです。 ほかにも3枚のガラスを落とし込んだ円形テーブルや丁寧な削り出しで独創的なフォルムを見せるチェア、デザインと機能性が見事に融合したコンソールなど、どれをとっても語りどころ満載の家具が展示されていました。 独創的なデザインの素晴らしさはもちろん、そのデザインを形にできる高い技術力にも感心させられました。 |
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今回のミラノサローネでは、立ち寄るメーカーブースを絞り、しっかり説明も聞き、カタログを持ち帰り、充実した2日間を過ごすことができました。 日本では見たことのないデザインや素材使い、ブースのレイアウトやコーディネートなど、現地で直に見なければわからないこと、感じられないことに出会うことができました。 耳から入れるだけの聞きかじりの情報ではなく、見て感じて理解することの大切さを改めて実感しました。 今回仕入れた情報や知識、メーカーとのつながりをしっかりと熟成させて、住賓館に来られるお客様やお問い合わせくださるお客様がより良い家具と出会えるお手伝いをしていきたいと思います。 さて、次回は、ブース視察以外の情報、例えば今回の詳しい旅のスケジュールやその情報入手方法、滞在したホテルのこと、訪れたレストランのことなど、家具以外のミラノ滞在でのこぼれ話をお届けしたいと思います。 どうぞ、お楽しみに。 |
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