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家具ログindex >> 第155回 “ミラノサローネ2016 視察レポート 今年も世界最大規模の国際家具見本市へ! | 住賓館(じゅうひんかん)家具ログ
ミラノサローネ2016 視察レポート
今年も世界最大規模の国際家具見本市へ!
今年も4月12日にイタリアへと向かいました。今では恒例となったイタリア出張。その目的はもちろん、世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ」です。
世界のインテリアデザインの最先端が集う祭典は、驚きと学びの宝庫。今年は2日間じっくりと会場を巡り、新作家具からディスプレイ術までしっかり吸収してきました。
そこで今回は、住賓館でもお馴染みのメーカーから気になる家具まで展示ブースで撮影した写真とともにご紹介します。
今年も大盛況のミラノサローネ
2016年の来場者数は過去最高を記録。中国パワーも健在
1961年からイタリア・ミラノで開催されている「ミラノサローネ」。約160 カ国から30万人以上の業界関係者と3万人以上の一般の来場者があり、その経済効果は2億5,000万ユーロとも言われ、まさに世界最大級の国際家具見本市です。
今年(2016年)は、4月12日〜17日の期間で2,407の出展社により開催されましたが、公式サイトの発表によると期間中の来場者は、37万2,151人と、過去最高の来場者数を記録。この祭典の重要性と注目度の高さを証明しています。
実際に会場を訪れてみると、海外からの業界関係者の数が多いことを実感。
特に中国の方々の姿が目立ちました。
これは昨年も感じたことで、事実昨年の海外来場者数のトップは中国でしたが、今年も中国パワーは健在。経済の勢力図も垣間見た気がしました。
【サローネ会場レポート】
新作をチェックし、ディスプレイやコーディネート術を学んだ展示ブース
■COMPAR
最初に訪れたブースは、住賓館でもお馴染みのCOMPAR(コンパル)。その中央に設置されていたのは、ウォールナット天板の昇降テーブル・Parisです。その脚は、直線デザインのスチール脚ではなく、ポリウレタンのブロンズ仕上げによる柔らかな曲面ラインの脚でした。
COMPAR(コンパル)のブースは、毎年必ずチェックしていますが、このスチール脚でないタイプのParisは3年連続で展示されています。3年前に初めてこの会場で目にした時にヒットの予感がしましたが、3年後もこうして中央に展示されていることを見ると、予感は的中。事実、住賓館でもこのタイプのParisは、とても人気があります。
もう一つこのブースで目に止まったは、新作のPlay。天板は横広タイプの楕円でサイズも大きく、脚は安定した四本脚スタイルです。天板にザラつきのある素材感も面白く、モダンな空間にマッチするテーブルです。
昨年発表されたデスク・Padは、収納が引き出しタイプから天板を上げて中に収めるタイプへ。引き出しタイプに比べて場所を取らず、サイズもワイド1,200mm、奥行き550mmなので日本のリビングにも置けるコンパクトさです。
COMPARは、ライフスタイルを豊かにする動きのあるインテリアが充実しています。
■Frag
Frag(フラッグ)も住賓館ではお馴染みの革張りチェアのトップブランドで、毎年楽しみにしているブースです。
どの家具も革の質や細部の仕上げなど、そのこだわりと技の高さを再確認するとともに、今回注目したのはその脚のデザイン。
新作シリーズ・SQUAREのラウンジチェアは、ピンヒールのような細い脚が特長で、寛ぎの中にも洗練された美しさがあります。
■ALTACOM
今回のイタリア出張の目的は、昇降テーブル、伸長テーブルをチェックすること。そのため一番気になっていたのが、このALTACOM(アルタコム)のブースです。
ALTACOMは、もともと昇降や伸長機能家具などのテーブル脚や機能部品を製造していたメーカーが立ち上げたブランドなので、様々な多機能テーブルを得意としています。
例えば、昇降式リビングテーブル・tavolettoは、テーブルの天板を中央から左右に開いて伸ばし、間にクッションをセットすると、なんとベッドになるという驚きの機能を持つテーブルです。一人暮らしやゲスト用に使うことができ、これならソファで寝るよりもラクに休めます。
同じく昇降テーブル・genialeは、高さ110mmになり、ソファ下に収納することができます。この収納機能を可能にしているのが、脚のキャスター部分の特殊なローラー。縦横自由に動くため、スムーズな動きで収まります。
ALTACOMの家具はどれも、優れた機能性によって限られたスペースを有効利用でき、部屋の空間にゆとりを生み出します。
日本の住宅環境との相性もよく、天板素材も豊富にあるため様々なインテリアテイストに合わせて提案できます。最注目のメーカーです。
■GAMMA
GAMMA(ガンマ)も毎年必ず訪れるブースです。またいつも社長自ら細かな質問にも答えていただけるので、お会いできるのを楽しみにしています。今回のイタリア出張では、メーカーといつでもコンタクトを取れるようにコミュニケーションをしっかり取ることも目的としていたので、取引メーカーのブースでは、社長やスタッフともできるだけ会話を交わすように心がけました。
GAMMAといえば、グレードの高い革を使用した上品なソファ。縫製やステッチにもこだわりがあり、座り心地の良さでも高いグレードを保っています。
展示の中でも目を引いたパープル色のコーナーソファは、背が前後に動くため、座面の奥行きを簡単に調節できます。横寝ができ、快適に過ごせます。
また、背のクッション部分に隙間をつくるスタイルにすれば、部屋の空間を広く見せることができます。
上質な革を豊富に持ち、確かな縫製技術のあるGAMMAは、ベッドフレームも優秀で、今年の展示では、特にその良さを実感しました。
さらに今回の展示ブースでは、ベッド周りのディスプレイやコーディネートにも注目しました。豊富な素材力によりサイドテーブルやベンチ、小物などを同じ革で統一出来ると落ち着きのあるハイグレードな寝室を演出できます。
この演出法やコーディネートは、住賓館の展示や住賓館スタイル(動画)の参考にもなり、学ぶことが多いブースでした。
■l'abbate
ナチュラルテイストでシンプルな曲げ木家具を得意とするl'abbate(ラバーテ)は、イスを探す上で一番注目していたメーカーです。
新作のTivoliシリーズのダイニングチェアは、座面高440mmと日本人にも合うサイズです。曲げ木の背のスポークの当たりもよく、シリーズの中でも肘なしタイプはおすすめです。肘あり、肘なしどちらのタイプもスタッキングでき、片付けや掃除の時にも便利。この点でも日本人に合うイスと言えます。
北欧スタイルのイスとして導入したいイスです。
■SANGIACOMO
壁面収納家具を取り扱う上で、ぜひともチェックしておきたかったのが、SANGIACOMO(サンジャコモ)のブースです。
そのデザイン性もさることながら、金具丁番や取り付けがとても精密で、扉の開閉がスムーズ。何よりもその取り付けレベルも高さに目を奪われました。歪みなく直線で構成される取り付けは日本人好みです。この取付施工はぜひとも習得したい技術です。
カラーやアイテムも豊富で、リビングから寝室まで広く対応できます。
箱置きや積み重ねとは違い、隙間を空けながら部分的にパーツを取り付けると部屋を広く見せてくれます。
いろんなプランニングが可能なシステム家具です。
■ercol
イギリスを代表する老舗家具メーカー・ercol(アーコール)のブースです。
コンピューター制御された機械と職人の手仕事を上手く融合させながら作り出されるナチュラルテイストの家具は、幅広い層に人気があります。
また、新作と復刻版を上手に作り出すのもercolの特長。
今とアンティークを絶妙なバランスで提案し続けているメーカーです。
■de Sede
セレブ御用達のスイスのソファメーカー・de Sede(デセデ)。
厚革を使いながらこれだけ柔らかなラインを作り出せる革のクオリティと職人技にセレブが魅了されるのも納得です。
今回の展示ブースでは、特に癒やし感のあるソファが目を引きました。
■Flou
イタリアのベッドメーカー・Flou(フルー)も毎年楽しみにしているブースの一つです。
ベッドはもちろんのこと、ここでは毎回コーディネート術を勉強しています。
カラーを合わせて同じトーンでコーディネートしたり、ワンポイントでアクセントカラーを使ったり。
革のベッドならGAMMA、ファブリックならFlou。
世界の一流メーカーのコーディネートを一度に比較できるのもミラノサローネならではです。
■RIVA1920
RIVA1920(リーヴァ1920)は、毎年人集りができる人気ブースです。特に今回注目の的だったのは、木の節や天板の角を合成樹脂で埋めたテーブル。誰もが目を留めて、そして誰もが手で触れていました。
素材使いの上手さや組み合わせの妙、それをしっかりアートにしているのがこのメーカーです。
日本人が好きな一枚板やウォールナットを巧みに使いこなした家具など確かに興味をひかれるポイントが詰まった家具を展示しています。
■giorgio collection
毎年クラシックブースで楽しみにしているのが、このgiorgio collection(ジョールジョ コレクション)ブースです。美しいミガキ仕様の家具が豊富に展示してあります。
今回目を引いたのは、グレー色のシカモアミガキ仕様のダイニングセット。グレーというカラーが新鮮で、これならモダンな空間にもマッチします。トノー型の天板のサイド面にカットを入れると大きなテーブルでも立体感がでるは発見でした。
脚のデザインが特徴的なワイドタイプのコンソールも魅力的でした。このデザイン、このミガキ仕様は、日本ではできない発想と技術力です。
ローズ系の美しい木目のテーブルは、直径1,800mmのワイドなものですが、板目の接ぎ合せが実に丁寧でした。
同じローズ系でも横板目のサイドボードは、半円形の曲面デザインで、ミガキ技術のレベルの高さはため息が出るほど。すっかり魅了されました。
■CARPANELLI
こちらのクラシックスタイルのCARPANELLI(カルパネリ)は、住賓館で20年前に取り扱っていたメーカーです。
キャビネットメーカーとして名を知られ、曲線の美しさが魅力のCARPANELLIのグラスキャビネットは、楽器を形どった独創的なデザイン。優美でありながら愛嬌もあるキャビネットです。
新作の伸長式テーブルは、象嵌(ぞうがん・異質の素材をはめ込む工芸技法)のように突板を張った艶消しの天板の美しさに目を奪われます。
イスの背の流れるような木目の曲線と革との組み合わせも見事。テーブルデザインとのバランスも良く、クラシカルな中にも雄大さを感じます。
■Zanotta
SACCO(サッコ)を始め、オリジナリティあふれる家具で数々の名作を送り出しているZanotta(ザノッタ)。しかし、今回私自身が注目したのは、薄い背や天板のイスやテーブル。空間を広く見せる部屋づくりを提案する上では、スッキリしたデザインの家具を研究したいと思いました。
薄手の天板や背でもグラつきのない脚の造りや空間を広く見せるデザイン。都会的でスタイリッシュな家具をしっかりチェックしました。
■KRISTALIA
KRISTALIA(クリスタリア)は、新素材や技術革新にこだわり、独創的で最先端のインテリアを追求しているメーカー。
今回のブースでもミラノ在住の日本人デザイナー・大城健作さんの新作テーブル・Holeの展示がありました。
これは、「浸食や風食など自然による地形形成からインスパイアされたデザインを自動車業界のハイテク技術によって生産。
自然とテクノロジーが融合されて生まれたテーブル」とのこと。
ミラノサローネでは伝統を受け継ぐクラシックスタイルの家具から最先端の家具まで同一会場に並んでいます。
本当に情報量満載の見本市です。
■CECCOTTI COLLEZIONI
この展示家具を見るだけでも遥々イタリアまで来る価値がある!そう思えるほど素晴らしい家具が並ぶCECCOTTI COLLEZIONI(チェコッティ・コレツィオーニ)のブースです。
熟練の職人がたっぷりと時間をかけ、丁寧に丁寧に作り上げたデスク。
一つひとつのパーツが実に精巧で実に美しく、湾曲したライン、留めの細工、滑らかな仕上げに至るまで、只々見惚れるだけです。
決して派手さはないけれど、品の良い存在感があり、デスクはもちろん、コンソールもソファもすべてのコレクションが別格の佇まいをみせていました。
たくさんのカタログを持ち帰りました。
ご来店時にお気軽にお声掛けを!
今回のミラノサローネでは、各ブースをチェックしたり商談しながら多くのメーカーのカタログを持ち帰りました。カタログには展示ブースになかった家具も多く、日本にはないデザインセンスやカラーなど、見ているだけでもワクワクします。
みなさんもご覧になりたい方は、ご来店時にお気軽にスタッフに声をおかけください。色見本を持ち帰ったものもあるので、家具選びの参考にしたりお手持ちの家具とのコーディネートにお役立てください。
また、今回書ききれなかったメーカー情報や会場の様子はもちろん、宿泊したホテルのお話やグルメ情報、ミラノまでの交通手段やミラノでの地下鉄の乗り方など、インテリア以外の情報や体験談についてもお聞きになりたいことがあれば、遠慮無くお問い合わせください。
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