世界最大規模の国際家具見本市
ミラノサローネ2017 3泊5日の視察レポート
毎年恒例のイタリア出張。目的はもちろんミラノサローネです。
世界最大級規模の国際家具見本市は、インテリアデザインの最先端や各ブランドの動向や実力を直に知ることのできる絶好の学びの場です。
今年も2日間会場を巡り、新作家具からブースのディスプレイ術までしっかりチェックしてきました。
今年も大盛況!6日間で165カ国34万人以上が来場
2017年のミラノサローネは、4月4日〜9日の6日間開催され、期間中の来場者は、165カ国343,602人。今年も大盛況でした。
「世界最大級の国際見本市」と言われるように、会場は国際色豊か。中でも近年会場で感じていた中国やインドのバイヤーの数の多さが今年も目につきました。ここでは、家具だけでなく国の勢いや経済力も見て取れます。
【サローネ会場レポート】
■ALTACOM
今年の会場巡りは、今年住賓館でも取り扱いを始めたALTACOM(アルタコム)からスタートしました。
ALTACOMは、昇降や伸長機能家具などの多機能テーブルを得意としていますが、今年の新作モデルでは、トランク型のコンパクトサイズからワイド幅2000mm以上になる伸長式ダイニングテーブルです。
ALTACOMのテーブルは伸長式でもぐらつきがなく、天板素材も豊富なのでワークデスクとしても使えます。
住賓館ではメラミン天板のテーブルを展示していますが、会場にはカラマツのウッド仕様の天板テーブルが展示されていました。厚みと深みがあり、この表面仕上げであれば、ダメージ革のソファとセットすると絵になります。
新作チェアは本革からソフトレザーまで張地もカラーも豊富。価格もお手頃でシンプルなデザインなので、どんな家具とも相性のいいチェアです。
グレー系のマッドなメラミン仕上げの天板とスチール脚を組み合わせた伸長式テーブルにセットするとモダンスタイルのダイニングテーブルに。
ALTACOMのテーブルと椅子は、今後住賓館でも積極的に取り入れて、様々なシーン展開をご提案したいと思っています。
■COMPAR
サローネでは必ずチェックするCOMPAR(コンパル)。住賓館でも人気のあるメーカーです。
伸長式昇降テーブルの新作は、繊細なクロスした脚と上品な天板が印象的です。天板をスライドさせると伸長でき、高さを低くして専用のクッションを置けばソファにもなるほどグラつきがなく、しっかりしたつくりになっています。
自分でも欲しくなるデスクもありました。シンプルなデザインながら洗練された佇まい。天板下が収納になっているので、タブレットなどを片付けることができます。リビングデスクにしてもステキな絵になるデスクです。
■MIDJ
今回初めて訪れたブースのMIDJ。まだあまり日本では知られていないイタリアのモダンチェアメーカーです。木、革、プラスチックや金属など様々な素材を使ってデザイン性に優れた椅子を製作していますが、ナチュラル素材を使った椅子は、北欧スタイルにも合います。
■airnova
こちらも初訪問のブース。イタリアのウーディネにあるairnova(エアノーヴァ)です。本革仕様のチェアメーカーで、どこかFrag(フラッグ)に似ています。
革でパッチワークができるほど縫製がしっかりしていて、座ると自然な姿勢が取れ、体馴染みの良さも優秀です。
シンプルからボリューム感のあるデザインをはじめ、革の種類やカラーも豊富です。
■Frag
Frag(フラッグ)には、今年も魅力的な椅子やソファが展示してありました。
ロースタイルのソファは回転式で、和室にも合うソフトライン。旅館などの接客業のコントラクト家具としておすすめ。一方、シンプルなストレートラインのソファは、スッキリとして考え方も整理できる明快さがあり、商談ごとの多いオフィスにおすすめです。
革の質感の良さが感じられるソファは、ゆったりと包み込まれるボリューム感があり、リラックスできる時間が過ごせそうです。
足回りが柔らかくきれいなパーソナルチェアも魅力的でした。曲げ木のウッドフレームに曲面ラインのチェアは一枚板のテーブルにも似合いそうです。
■l'abbate
ナチュラルテイストでシンプルな曲げ木家具を得意とするl'abbate(ラバーテ)は、北欧スタイルの暮らしにおすすめできる椅子で注目しているメーカーです。
滑らかな背の曲線と脚とのつなぎがユニークな椅子は、シンプルで長く使えます。
また、テーブルがスタッキングできたり、サイズ的にも日本人にも合い、今後も注目していきたいメーカーです。
■SANGIACOMO
壁面収納家具が充実しているSANGIACOMO(サンジャコモ)です。
リビングから寝室までトータル提案でき、自分スタイルの壁面収納を作ることができます。
デスクユニット付きの壁面収納は、ナチュラルカラーにすることで空間を広く感じさせ、ライトの配置を工夫することで、ライトを点けると空間に陰影ができ、趣のある演出ができます。
壁に直接取り付けてあるので威圧感がなく、収納量もたっぷり。この設置技術はぜひ住賓館でも習得したい技術です。
扉の表面が革風に仕上げてあるスライド収納は、マンションにご提案したいスタイルです。広い面を占める収納でも、こんな上品な表情ならしっとりと落ち着きます。
今回SANGIACOMOのブースで一番注目したのは、このアラカルトチェストです。引き出しタイプとオープンタイプの組み合わせで中に支柱が入っているためボックスを回転させることができます。好きな方向から物を取り出すことができ、デザイン的にもユニーク。玄関に置いたり、リビングとダイニングの仕切りとしてもおすすめです。
この引き出しをサイドに利用したデスクもあり、天板ウッドの丸面デザインに角ばったボックスの組み合わせでセンスのいい空間づくりができます。
■GAMMA
GAMMA(ガンマ)も毎年必ず訪れるブースです。GAMMAとのお付き合いは長く、数年前にイタリア本社を訪問し、直接取り引きも行っています。
今回は、昔から友人のMarcoに案内していただき、おすすめアイテムをうかがいました。
ワイドロータイプのソファは、背の奥行きを調節でき、座面に上がっても快適。グレードの高い厚革仕様の張地が、ロースタイルの暮らしをレベルアップしてくれます。
コンパクトスタイルのソファもあり、座面奥行きが浅く、床に足が着くので日本の暮らしにピッタリ。落ち着きのあるコーディネートや演出も参考になりました。
■RIVA1920
RIVA1920(リーヴァ1920)も毎年楽しみにしているブースです。
素材使いの上手さや組み合わせの妙、それをしっかりアートにしているのがこのメーカーですが、今回見たサローネの木部フレームの中で一番印象に残ったのが、このソファです。
ウォールナットの力強さとインナーファブリックとの一体感には脱帽です。
とても自然で会話が弾みそうなテーブルは、その形状や脚をとことん計算して作り出されたデザインでしょう。日本人が好きな一枚板やウォールナットを巧みに使いこなした家具には、いつも感心させられます。
■giorgio collection
今年も美しいミガキ仕様の家具で楽しませてくれたのが、giorgio collection(ジョールジョ コレクション)です。
回転テーブルをセットした丸テーブルは、突板の木合わせのデザインと技に驚かされます。2つのテーブルを重ねることで一層杢の美しさが感じられ、板目でも繊細な大人のテーブルです。
これだけサイズ的にボリュームのある楕円形のテーブルでも、高度なミガキ仕様だと繊細さを感じさせます。傾斜のある椅子ともマッチし、上質なファブリックが品のある空間を作り出しています。
■CARPANELLI
クラシックスタイルのCARPANELLI(カルパネリ)も楽しみにしていたブースです。
キャビネットメーカーとして名を知られ、象嵌(ぞうがん・異質の素材をはめ込む工芸技法)のように突板を張った艶消しの家具は、ため息が出るほどの美しさです。
今回出展されたフリーボックス、チェスト、テレビボードのシリーズは、素材はたぶんシカモアでしょう。突板を丁寧に張リ込む技の高さが、素材力と相まってフロントの表情を一層美しく見せています。つや消しなのに深みのある質感があり、角丸のグレー色が全体を引き締めながらもやさしい表情も生み出しています。
持ち帰ったカタログは20キロ!
理想の家具作りの参考に。
今回もたくさんのメーカー、ブランドのカタログを持ち帰りました。
その重量はなんと20キロ!しっかり抱えて帰ってきました。
ミラノサローネでは、展示物はもちろん、カタログが重要な商談アイテムとなっているので、各メーカーカタログづくりには力を入れています。
美しく情報量たっぷりのカタログが多く、日本にはないデザイン、感性、機能、色使いなどに触れることができます。
ご覧になりたい方は、来店の際、お気軽に声をお掛けください。
今までの自分の中にない発想の家具が見つかるかもしれません。
また、カタログを参考に素材やサイズ、カラーなどを自分好みにオーダーして、理想の家具を作ることもできます。どうぞ遠慮なくご相談ください。
家具以外にもイタリア出張中のグルメや交通手段など、お聞きになりたい情報がありましたら、こちらも遠慮なくお問い合わせください。
お待ちしております。
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