木の種類に対するこだわり度は年代によって違います。
住賓館では、年配になればなるほどほど素材に対するこだわりが強く、若い世代になるとデザインや使い勝手重視で、木の種類に対するこだわりは弱いように感じます。
そんな中、幅広い年代に人気があるのが、世界三大銘木の一つとして知られる「ブラックウォールナット」です。
流れるような木目の美しさと深みのある茶系の色目が重厚な雰囲気を醸し出し、高級感のある落ち着いた空間にもモダンな空間にも合い、住賓館でも大変人気があります。
ブラックウォールナットの家具では、土井木工のAUTHENTICITY(オーセンティシティ）やアカセ木工のMasterWal(マスターウォール)が人気があります。
AUTHENTICITY(オーセンティシティ）は、前脚から上部のアームへと一枚の板を鋭角につなぎながら、ブラックウォールナットの流れるような美しい木目が目を引きます。

土井木工が素材をぜいたくに使って究極の美しさを追求するのに対して、MasterWal(マスターウォール)は、接ぎ合わせでデザイン性を高めたり、ラフ材や節のある素材も使ってモダンな家具を作りあげています。

50代以上の方に人気なのが「ナラ」（オーク）。
粘りのある材質で加工しやすく、古くから家具に使われてきました。穏やかな中にも力強さも感じられ、和洋どちらの空間にも合う木材です。

日進木工の geppo（ゲッポ）シリーズの円形コタツは、まさに和洋どちらの空間にも合うナラの無垢材を使った家具。
柾目のはぎ合わせで高級感があります。円形でこれだけ美しい表情を見せるには高い技術力が必要となります。

飛騨産業のCRESCENT（クレセント）は、1995年からロングセラーを続ける名作。ナラ材の粘りのある材質は曲げ木に最適で、背や脚のエレガントなラインが特長です。
写真右のCRESCENT（クレセント）は住賓館で20年以上接客用に使っているものですが、アメ色のツヤが出て、深く味わいのある椅子に育っています。この経年変化もナラ材の魅力です。
ただし、日本産のナラは流通量がとても少なく、ロシアなどからの輸入材も関税が高くなったり輸入が制限されたりして今では希少な素材となってしまっています。
そこでナラ材に代わって使われることが多くなったのが、ナラ材に似た「タモ」や「ホワイトオーク」、「レッドオーク」などです。
レッドオークをいち早く取り入れたメーカーは、飛騨のシラカワで、特に塗装技術に優れています。
レッドオークの色付けは高い技術を必要としますが、シラカワの人気シリーズ・素技（そぎ）では、木の自然な色合いや質感を生かしたオイル塗装でしっとり感と濡れ色感を強調し、素地にわずかな木目着色を加えることで深みのある仕上がりを実現しています。

このほかには、明るい木肌で光沢のある「メープル」も人気があります。
また、メープルに近い木目や質感ながらコストや強度の面で「ビーチ」を選ぶ方も増えています。

木の家具でお部屋づくりをする時、リビングやダイニング、寝室など各部屋別に色のイメージやトーンを分けることをおすすめしています。
例えばリビングと寝室をコーディネートする時、リビングはナチュラル系、寝室はダーク系など。明るく癒やされる空間なのか、落ち着いて静かに過ごす空間なのかを木の色で分けるのがおすすめです。
また、空間を広く見せたい場合は、フローリングと同系色にすると一体感がでてまとまります。
ワンルームもあまり色を増やさないのがおすすめです。
目線や意識が散らばらず、落ち着いて過ごせます。

素材にこだわったら、どんな仕上げにするかも重要です。購入後の使い勝手やメンテナンスに関わってきます。
ナチュラル派に人気なのは、オイル仕上げ。こだわって選んだ木の風合いや質感を自然に近い状態で楽しむことができます。ただし、水や汚れが染み込んで跡になりやすく、定期的なメンテナンスも必要です。
一方、ポリウレタン樹脂で木の表面に膜をつくるウレタン塗装は、テカテカした見た目や触り心地を嫌がる方も多いようですが、キズがつきにくく、汚れもさっと拭けてメンテナンスもラク。それに最近は、つや消し仕様の技術も上がり、自然に近い仕上がりも可能です。
ペットや小さなお子さんのいるご家庭やメンテナンスをラクにしたい方におすすめです。

全国でもトップレベルの良材を豊富に保有しているのは、広島県府中の「土井木工」です。
豊富な良木から木目の流れや木味のバランスの一番良い物だけを選び出し、婚礼家具で培った高い技術力でレベルの高い家具を作り続けています。
住賓館とのお付き合いも長く、作りたい家具を素材選びの段階から参加することもできます。

飛騨高山を訪れた旅人が一目惚れして購入するという「SWING（スイング）」は、木取りのセンスが抜群のメーカーです。
一枚板のレベルの高さもさることながら、接ぎの美しさも目を見張るものがあります。

素材、デザイン、充実したアイテムなど、トータル力で見ると、MasterWal(マスターウォール)を有する岡山県の「アカセ木工」でしょう。
本来ならはじかれてしまうブラックウォールナットの節ありやラフ材も巧みに使って、デザイン性の高い家具を作り出しています。

住賓館では、ここにご紹介したメーカー以外にも、良木を使って作られた質の高い家具を数多く展示しています。
もちろん各メーカーとのお付き合いも長く、ご希望に合わせたカスタマイズにも応じています。また、完全なオリジナルを製作することも可能です。
本当に満足できる木の家具をご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。