シンプルでモダンなデザイン、細身の繊細なフォルム、軽くて丈夫で壊れにくい構造で、いつまでも安心して安全に使える家具を作り続けている日進木工。その魅力を日進木工営業部課長の高橋雅一さんに作り手の立場から語っていただくインタビュー対談。 第3回目となる今回は、軽くて丈夫で壊れにくい構造を支える高い技術力や若い世代への家具選びの提案などについてお話しいただいたことを中心にご紹介します。 |
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製品安全への優れた取り組みが評価され、 平成24年度製品安全対策優良企業「経済産業大臣賞」受賞 |
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【住賓館】 日進木工は昨年、経済産業省が主催する平成24年度製品安全対策優良企業表彰(中小企業製造事業者・輸入事業者部門)において、「経済産業大臣賞」を受賞されています。 この表彰は、経済産業省が、製品安全に積極的に取り組む企業を広く公募し、厳正な審査の上で表彰するもので、「経済産業大臣賞」は最上位賞にあたります。 日進木工の受賞ポイントは、 【1】 製造技術と強度試験の両輪によるイスを中心とした安全性の高い製品の製造 【2】 産地ブランドを主導し製品安全文化の醸成に貢献 【3】 安全に長く使ってもらう設計思想と長期保証の提供 の3つで、日進木工が伝統的な技法や木材に関する知識や技術を駆使し、家具の安全確保に意欲的に取り組んでいる状況や、自社とどまらず地元地域・他社と協働で安心・安全の文化の普及にも積極的に取り組む姿勢などが高く評価されての受賞です。 特に【1】については、「木材の選定、乾燥、曲げ木に関する知見・技術や、接合に関する伝統技法を蓄積し、軽いが丈夫で、安全な製品の開発・製造を実現している。これら技術の裏付けとして、生産過程では耐久性試験を複数回実施するなど強度の確認を徹底している」点が評価され、これまでのインタビューの中でもお話にあがった高い技術力に裏打ちされた安心、安全なモノづくりが認められた結果だと思います。 |
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角ホゾ組み構造 「軽くて丈夫」を実現するミリ単位のこだわり |
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【住賓館】 先の「経済産業大臣賞」受賞のポイントにもあった「木材の選定、乾燥、曲げ木に関する知見・技術や、接合に関する伝統技法を蓄積し、軽いが丈夫で、安全な製品の開発・製造を実現」で、日進木工では接合加工の「角ホゾ構造」においても優れた技術を持っていますよね。 日進木工の家具は、細身のダイニングチェアでも接合部がしっかりしているのでぐらつきがなく、長く使うことができます。 【日進木工・高橋様】 日進木工では、「軽くて丈夫」なダイニングチェを実現させるために、パーツを最小限細くして軽量化を図り、細いパーツの接合でも強度が出る「角ホゾ組み」構造を採用しています。 「角ホゾ組み」は、ホゾ穴に対してホゾを少し大きめに作ります。 しかし、ホゾが大きすぎると木を割ってしまい、小さすぎると抜けやすく強度も低下するため、ミリ単位の精度が必要となります。 日進木工では、飛騨の匠の技を受け継ぐ職人が、その経験と技術力でミリ単位でホゾ加工をしています。 出来上がったホゾ穴に接着剤をつけてホゾを組み込むとき、多くのメーカーでは手で打ち込みますが、日進木工ではプレス機を使って確実に組み上げていきます。 プレスで、しっかり圧縮して組み込むことで強固な連結になり、木の繊維にまで接着剤が入り込み、繊維と繊維が引っ張り合って、強度が増します。 接着剤は、シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどの有害6物質を完全に除去した製品を使用しています。 【住賓館】 ミリ単位のこだわりと言えば、すでに発表した家具製品についても随時チェックして細やかに改良を加えていると聞きましたが−。 【日進木工・高橋様】 製品化した後も安全性や強度、快適性を確認する試験や検証を繰り返し、より完成度の高い家具製造に努めています。 それがお客様からの評価が高いシリーズの家具であっても、安全面や耐久性、肘など手で掴んだ時の心地よさをもっと高めることができるとわかれば、改良を加えています。 「この椅子の背の径をあと2ミリ太くすれば、より強度を増し、安心して長く使っていただける−」。 開発、生産スタッフがこんな会話を交わしながら、実際に改良を加え、隠れた部分にも様々な工夫を施しながら常に進化させたモノづくりを行っています。 |
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研磨技術 力強さと柔らかさ。手触りを確かめながらの手仕事 |
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【住賓館】 日進木工の家具は、どれも手で触れた時のなめらかな表面仕上げの良さが素晴らしいですね。 お客様もその手触りの良さに、感嘆の声を上げて驚かれます。 【日進木工・高橋様】 日進木工の家具は、すべて一つ一つ丁寧に研磨を行っています。 サンドペーパーを手に、何度も手触りを確かめながら研磨を繰り返し、なめらかに仕上げていきます。 丸みのある背や肘、脚は柔らかに、テーブル天板の面などエッジのきいた面はシャープに力強く、 凹凸や磨きムラがないように丁寧に研磨を重ねて仕上げています。 |
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家具選びにも洋服選びの柔軟性を | ||
【住賓館】 日進木工では、お客様ターゲットを30代半ばに置いて商品開発や営業展開を行っているとのことですが、実際に今の若い方の家具に対する考え方をどう思われますか? 【日進木工・高橋様】 例えるなら洋服を選ぶような柔軟な考えで家具選びを楽しんでいただきたい。 今の消費者の方々は、安価な服とブランド物の高価な服を上手に組み合わせていらしゃいます。 |
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ところが、家具に関してはまだまだ、予算や価格だけで家具を選びがちです。 洋服のように、本当に好きなものを自由な発想で組み合わせて楽しんで欲しいと思います。 今あるものに、自分自身が好きな木製家具を椅子1脚で良いので、取り入れてみてください。 メンテナンスをしながら永く使える木製の家具が基本ですが、 本物の家具を1つ取り入れることで、暮らしが広がり、ものを大切に使い続ける気持ちになっていくと思います。 もちろん、私達作り手は若い人だけではなく、幅広い年齢層の人々が、心豊かになる家具をしっかりとつくり続けていきます。 |
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軽くて丈夫。安心、安全な家具を永くお使いいただくために−。 作り手が語る日進木工インタビューは、今回で最終回となります。 魅力的な家具を作り続ける日進木工の「思い」「技」「現場」について、興味深いお話をいろいろ語ってくださった高橋課長には感謝いたします。 今回はここで一区切りとなりますが、また機会がありましたら第2弾、第3弾・・・として取り上げて行きたいと思っています。 みなさんもお聞きになりたいことがあれば、メールやFAXなどでお知らせください。 住賓館を通じてお聞きし、その折々で「家具ログ」や「住賓館ブログ」でもご紹介していきたいと考えております。 どうぞお気軽にお問い合わせください。 |
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毎日更新の住賓館ブログでは、今回ご紹介した日進木工の家具はもちろん、住賓館に展示している北欧スタイルの飛騨高山の家具、広島府中など国内の家具産地の家具、イタリア家具や世界の有名ブランド家具、話題のベッド、マットレス(シモンズ、シーリー、サータ)などの家具やイベント紹介に加え、納品事例やメンテナンスの修理事例もご紹介しています。 また、2013年4月に開催した「松創フェア」が好評だったことから、2013年5月20日より「松創フェア」第2弾の開催を決定しました。 芸術的なミガキ家具を製造する「松創」(広島県府中市)の家具を集めたフェアでは、希少なホワイトシカモアミガキのオリジナル家具も登場します。 内容については住賓館ブログでも随時発信します。 ぜひチェックしてみてください。 > > 住賓館ブログ |