木製フレームのコンパクトなパーソナルチェア3種比べ(柏木工・日進木工)
住賓館スタイルの中でも人気の高い「比べてみました」特集。これまでアームチェアやローチェア、リフトテーブルやマットレスなどを比較してご紹介してきました。いずれも「家具選びの参考になる」とご好評をいただいています。
そこで今回は、これから秋を迎えることもあり、テレビや映画鑑賞、読書などを楽しむのにぴったりなハイバックスタイルのパーソナルチェアを比較してご紹介します。
今回選んだのは、柏木工のCIVIL(シビル) イージーチェア CC54KとWILDERNESS(ウィルダネス)イージーチェア KLC54 、日進木工のNATURAL BROW(ナチュラルブラウン)コンパクトパーソナルチェア NBC-315Rの3種です。
いずれも木製フレームのコンパクトなパーソナルチェアで、同シリーズのオットマンをセットすれば、よりリラックスした時間を過ごすことができます。
背のスポーク(丸棒)と絶妙な傾斜角度で、揺りかごのような心地よさ
〜柏木工・CIVIL イージーチェア CC54K〜
柏木工の大人気シリーズ・CIVIL(シビル)のイージーチェアです。
CIVIL(シビル)といえば、オーク材とウォールナット材の斬新な組み合わせと、背のスポーク(丸棒)の機能性とスタイルが特長的なシリーズですが、イージーチェアは、絶妙な傾斜角度と体を包み込むようなフレーム構造によって、よりリラックスできるチェアとなっています。
背の部分は、滑らかで繊細なスポーク(丸棒)を縦組みにした構造。横組みでないので、背骨に木部が当たらず、背に沿ってしなやかに体を受け止めてくれます。
この背の構造は、ウィンザーチェアの輸出で培った技術力が使われていて、柏木工だからできる背当たりの良さです。
横から見るとかなり傾斜しているように思えますが、体を包み込むようなフレーム構造とスポーク(丸棒)のしなりによって、座っても体が倒れすぎることがなく、揺りかごやハンモックのように安心して体を預けることができます。
また、背も座も傾斜しているので、座った時にお腹がくの字になって圧迫することがありません。
アーム部分は、先端にかけて細くなっているので、肘が乗せやすくてつかみやすいので安心感があります。
また、アームと座面の間が大きく、肘が自然に乗る高さになっています。アームの高さは高すぎても低すぎてもリラックスできないので、このバランスの良さはとても重要です。
付属のヘッドクッションは、単純な円柱タイプではなく枕のような造りなので、頭を乗せた時にとても快適です。高さ調節も簡単にできるので、自分のベストポジションに設定できます。
深めに座っても傾斜角度と背のスポーク(丸棒)のしなりで、体が立ちすぎたり倒れすぎたりすることがなく、安定したポジションがとれて快適な座り心地です。
お尻を前にずらして浅めに座り、ヘッドクッションに頭をあずけるとリラックスした姿勢がとれます。浅めに座ると腰に隙間ができますが、背のスポーク(丸棒)のしなりと弾力で優しく体を受け止めてくれるので、腰に負担がかかりません。
オットマンを使うと、よりリラックスした姿勢でテレビを楽しむことができ、長時間座っていても楽に過ごせます。
アームの先端が先細りなので持ちやすく、座のクッションも硬めなので楽に立ち上がることができます。
曲げ木のフレームと3分割クッションで、安定感のある座り心地
〜柏木工・WILDERNESSイージーチェア KLC54 〜
WILDERNESS(ウィルダネス)も、20年以上のロングセラーを続ける人気シリーズです。
工芸品のような芸術性と暮らしに寄り添う使いやすさを併せ持ち、存在感のある木の味わいは、使い込むほどに深みを増します。
このイージーチェアも曲げ木のフレーム、3分割クッション、なぶり加工など、柏木工の高い技術力と使い勝手を考えたこだわりが感じられます。
背のクッションは、頭、背、腰の3つに分かれ、各部位ごとにフィットします。クッションはやや薄めのスマートタイプながら、背当たりはとてもよく、座ると自然なホールド感があります。
木部フレームは、2本の曲げ木に横板を渡したラダー(はしご)スタイルで、背を巻き込むようなかたちでフィットし、支える力もバランスもいいイージーチェアです。
アーム部分には、WILDERNESS(ウィルダネス)特有のアンティーク調のなぶり加工が施され、腕や手が当たっても痛くなく安心。オーク材の力強さと繊細な仕上げが見事に融合しています。
クッションと木部フレームは、木のビスを使った昔ながらの留め方でセットしています。後ろ姿のアクセントにもなって、味のある表情を見せています。
Rを描く曲げ木の背のフレームと3分割のクッションによって、深く座っても浅く座っても安定したポジションがとれます。深く座ると背まで受け止め、浅く座ると頭部分まで支えてくれます。
CIVIL(シビル)のイージーチェアと比べると傾斜角度が浅いので、CIVIL(シビル)よりは体が立った姿勢になりますが、背のクッションが体を支え、長時間座ることができます。
お尻を前にずらして浅く座り、頭にクッションが当たるようにすると、リラックスした座り心地に。オットマンを使うと、テレビをみるのに快適で、仮眠もできる姿勢がとれます。
座のクッションは程よい硬さがあり、アーム先端もなぶり加工が施してあって持ちやすいので、アームを握って上から力を入れると、楽に立ち上がることができます。
わずか8.6kgの軽量で移動も楽。北欧スタイルにも和室にも合うパーソナルチェア
〜日進木工・NATURAL BROWコンパクトパーソナルチェア NBC-315R〜
日進木工が得意とする、「軽くて丈夫な椅子」は、このコンパクトパーソナルチェアにも生かされています。重さはわずか8.6kgで、一般的なアーム付きダイニングチェアや板座の椅子と同じぐらいの重さなので、自分の好きな場所に楽に移動させられます。
細身のフレームとクッションでスマートな印象を与えつつも、日進木工ならではの技術力で耐久性もクリアし、北欧スタイルの空間にも和室にも合う応用力抜群のパーソナルチェアです。
細身で繊細な造りからもわかるように、重さはわずか8.6kgの軽量。女性でも楽に持ち運びができます。
脚元は床ずりタイプなので和室でも畳を傷めにくく、軽量で圧迫感がないのでどんな空間にも似合います。
背のフレームは2段階に角度をつけ、クッションは薄い張り込み式で、スマートな佇まい。木部フレームはどこも竹ひごのような繊細な造りながら、軋みやグラつきはありません。「軽くて丈夫な椅子」のこだわりは、その確かな技術力で実現されています。
アーム部分も繊細な造りですが、腕を乗せる部分は、浅い彫り込みがあり、腕にしっくりとフィットする造りになっています。
また、先端に向かって細くなっているので上からも横からも握りやすく、すべての面小口が滑らかに仕上げられているので手に優しく馴染み、安定したポジションで過ごせます。
付属のピローは、頭と腰のどちらにも使うことができ、位置も自由に設定できます。
深めに座ると、脇から下だけで安定した姿勢を取ることができるので、前屈みで作業したり、食事したりする時に便利です。
お尻を前にずらして浅めに座り、頭にピローをセットすると肩まで背もたれにフィットしてリラックスした姿勢がとれます。テレビを見るなど、ゆったりとした座り心地の中で快適に過ごせます。
アームの形状が優れているので、片肘に腕を乗せて体重をかけた姿勢でも楽に過ごせます。読書やスマホ・タブレット操作にも便利です。
アームの先端は先細りになったデザインなので、親指は内側から、他の指は外側からそえてしっかりとつかむことができます。そのため立ち上がる時も無理なく自然と力を入れて立ち上がることができます。
今回ご紹介したCIVIL(シビル) とWILDERNESS(ウィルダネス)のオットマンは、足を乗せてリラックするのはもちろん、単独使いする方が多いのも特長です。
どこにでも持ち運べるので好きな場所で腰掛けたり、ゲストが来た時のサイドチェアとしても重宝します。
小さな家具ですが、座のフレームはRをつけて、フィンガージョイントでつなぎ、脚の造りもしっかりしています。細かい部分も丁寧な仕事が施されています。
【Select Point】
今回比較したハイバックスタイルのパーソナルチェアで、この3種を選んだポイントは、木部フレームであること、コンパクトであること、造りがしっかりしていることでした。柏木工も日進木工も、歴史ある飛騨のメーカーで、実力も実績もあり、確かな家具を作り続けています。
特に今回は、3つのポイントの中でも、コンパクトサイズにこだわり、ワイド幅がコンパクトでもリラックスできるパーソナルチェアを選びました。
コンパクトなパーソナルチェアは、部屋の中に置いても圧迫感がなく、空間を広く使えます。また、軽量タイプなら、家の中だけでなく、ベランダに持ち出してくつろぐこともできます。小さなスペースでゆったりくつろぐことができるパーソナルチェアは、これから秋の夜長を楽しみたい方にはおすすめです。
【コーディネートに使用したアイテム】
メーカー 柏木工
商品名 CIVIL(シビル) イージーチェア CC54K
サイズ W695×D900×H935・SH380・AH595(mm)
販売価格 143,000円(税別)
メーカー 柏木工
商品名 CIVIL(シビル) オットマン CC55K
サイズ W510×D370×H415・SH395(mm)
販売価格 44,000円(税別)
メーカー 柏木工
商品名 WILDERNESS(ウィルダネス)イージーチェア KLC54
サイズ W682×D900×H1015・SH390・AH525(mm)
販売価格 116,000円(税別)
メーカー 柏木工
商品名 WILDERNESS(ウィルダネス) オットマン KLC55
サイズ W550×D375×H420・SH395(mm)
販売価格 48,000円(税別)
メーカー 日進木工
商品名 NATURAL BROW(ナチュラルブラウン)コンパクトパーソナルチェア NBC-315R
サイズ W625×D680×H1080・SH370・AH570(mm)8.6kg
販売価格 116,000円(税別)
※上記の価格は時期によって変動しますので、必ずご確認ください。
◆Recommend
今回ご紹介した3種のパーソナルチェアは、それぞれに特長があり、使い方や組み合わせる家具によって幅広い方におすすめできます。
CIVIL(シビル) イージーチェアは、リビ充家族のリラックスチェアや1Pソファとしてプラスしてはいかがでしょうか。
WILDERNESS(ウィルダネス)イージーチェアは、背がクッションスタイルなので、ソフトな背当たりが好みの方や背骨の負担が気になる高齢者の方におすすめです。
日進木工のNATURAL BROW(ナチュラルブラウン)コンパクトパーソナルチェアは、とにかく軽量で持ち運びが楽に出来るので、リビングから寝室へ、ダイニングへ、ベランダへと、いろんな部屋で使いたい方には便利。また、深く座ると前屈みの姿勢が楽に取れるので、作業もしたいし、リラックスもしたいという方にも重宝するパーソナルチェアです。
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