イタリアの最高級ソファのリペア。前回のリペア例を見て決行! |
以前ご紹介したソファの吹き付け塗装によるリペア。 ひびや色あせの激しいソファが、吹き付け塗装で復元された様子をビフォーアフターの写真でご覧いただきました。 その出来映えにみなさんも驚かれたと思いますが、そのリペア後のソファを実際にご覧になった親戚の方が、「これなら!」と、愛用のソファをリペアしたいと相談に来られました。 拝見したソファは、1人掛け×2と3人掛けの3セット。 本革張りで色はグリーン。 とはいえ、色あせとひび割れがひどく、特に座部分は白にしか見えません。 前から見る限りでは、元の色が想像できないほどでした。さらに、クッションのへたりもひどく、背の部分には破れもありました。 そこで、クッション部の補修なども含め、吹き付け塗装のパターンと、革を張り替えるパターンの2種類のお見積りをさせていただきました。 吹き付け塗装の場合は約30万円相当、 同等レベルのイタリア製本革での貼り替えの場合は、かなり高額なお見積りになりました。 もちろん、愛着のあるソファであり、前例の出来をご覧になっているだけに、吹き付け塗装を選択されました。 |
● 補修前 |
対応できるすべてのパターンのお見積りをご提示します。 |
住賓館では、リペアもメンテナンスもご予算やご希望に応じて選択いただけるように、対応できるすべてのパターンについてのお見積りをお出ししています。 また、それぞれの方法については、良い点だけでなく、欠点についてもお伝えしております。 例えば、前回もお話ししましたが、吹き付け塗装の場合は革質が少し硬くなること、お子さんがクッション部で飛び跳ねることが多いと色割れが起こる可能性があることなどです。 気になることについては、正直にお伝えいたしますので、お気軽にご相談いただき、ご検討ください。 |
プロ意識の高い職人よる完全分業制で復元します。 |
今回のリペアでは、まずクッション部分を補修するために詰め物の専門業者へ。 プロ意識の高い職人は決していい加減な仕事はしません。 この時も、私が依頼した枚数の詰め物を施しただけではクッション性が弱いと感じたらしく、もう1枚詰め物を足してもよいかどうかを問い合わせてきました。 しかも私に現場まで来て実際に座って判断してほしいと言うのです。 すぐに出かけて座ってみました。納得しました。プロとしてのこだわりとプライドは、お客様のためでもあるのだと実感しました。 クッション部の補修後は、吹き付け塗装の職人へバトンタッチ。 こちらもプロの技が見られます。 特にエアーブラシによるカラーリングでは、片手にエアーブラシ、片手にドライヤーを持ち、そのしなやかな手首の動きとドライヤーを当てる絶妙なタイミングで、ムラなく仕上げています。 この辺がプロならではのセンスですね。 |
カラーリングの要となる調色。ご家庭での応急処置用に塗料をお分けしています。 |
カラーリングの要となるのは、塗料の色調合。 微妙な配合には、プロならではのセンスと勘と経験が必要です。 ところで、今回のように表面上では元の色が判別しにくい場合は、家具を裏返したり、めくったりしながら色あせのない部分を探します。 今回はソファをひっくり返した裏の色から見つけました。 元はこんなに鮮やかなグリーンだったのですね。 |
なお、リペアの際に使った塗料は、小さな刷毛付きボトルに入れて納品の際にお客様にお渡ししています。 ちょっとしたキズや色割れが起こったときの応急処置にお使いいただけます。 |
はやる気持ちをぐっと抑え、一晩寝かせる理由とは? |
リペアを終えた家具は、住賓館の倉庫へ運ばれ、しっかり検品してから納品となります。 と、その前に、一晩倉庫で眠らせます。 大切な家具をお待ちになっているお客様へ一刻も早くお届けしたいのは山々ですが、一晩寝かせることで、塗料の臭いを飛ばしています。 吹き付け塗料については、安心、安全で臭いの少ない塗料を使っているため、ほとんど臭いはないのですが、念には念を・・・住賓館のこだわりです。 こうして、はやる気持ちをぐっと抑え、万全な状態で生まれ変わった家具をお届けしています。 |